[Tokyodebian-2007] Debian勉強会30事前課題

Hiroyuki Yamamoto yama1066 at gmail.com
Thu Jul 19 14:13:53 UTC 2007


Debian勉強会30事前課題を提出します。

「今後Debconfを日本で開催するためにDebianの認知度を上げる方法」および
「企業がDebconfのスポンサーになるためには」の両方で書きました。
少し長いですが、スミマセン。

ここから
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 おそらく、linux をかじったことのある人は Debian GNU/Linux の名前ぐらい
は聞いたことがあるのではないかと思います。そのなかで、実際 debian を使用
したことがある人は、まだまだ少ないのではないかと思います。

 まず、エンドユーザの debian の導入について述べます。
 debian の過去にリリースされた stable のインストーラは、初心者がいきな
り使うのはやや難しかったように思います。例えばリリース期間が長いことによ
り kernel などが古くなり、最新マシンのサポートが追い付かなかったり、GUI
インストーラの導入が遅れたことにより初心者から敬遠されたり、基本的に最小
構成のインストールを考えているため、非常に豊富なパッケージ数が禍して、エ
ンドユーザの初心者ではパッケージが選べなかったりしたと思います。それゆ
え、いち早くインストーラの改良をした Red Hat 系や、エンドユーザが必要と
しそうなパッケージをまとめてインストールすることにした Ubuntu などが躍進
したものと思われます。このイメージが今でも残っているらしく、初心者が
debian の導入を躊躇う一因となっているようです。
 また、エンドユーザは必ずしも安定性を重視するものとも言い切れません。実
際、人柱仕様 (debian の experimental から unstable 相当か) の Fedora で
さえ、ある程度初心者に受け入れられていると思います。目新しいパッケージが
ある程度使用可能な状態で簡単に利用できさえすれば、初心者でも導入を検討す
ると言うことでしょう。リリース期間を短縮し、目新しいパッケージがある程度
安定して使用可能な状態にするため、これらを改良したものが Ubuntu なんかと
も言えます。(debian ではフリーズされた状態の testing ぐらいですかね?)
しかし、稀にあるバグの対応にある程度慣れている我々でしたらエンドユージン
グには普段から testing や unstable の使用で問題ないのですが、初心者に今
の BTS を探させるのは流石に無理があると思います。このあたりのサポートの
改良が必要かと存じます。

 次に業務での debian の導入について述べます。
 業務で linux を導入する時は、debian の導入を検討したことのある人もいる
のではないかと思います。業務での使用に際し、debian の一番の欠点になる点
は、企業によるサポートが少ないことだと思います。現在、ML などによるコ
ミュニティベースのサポートはありますが、業務使用となると、トラブルが起き
た際の、契約書に基づいたテクニカルサポートが必要になることもあるでしょ
う。このあたりはシステムインテグレータなどを巻き込んだテクニカルサポート
の充実も必要かと存じます。

 最後に、debian の良いところであり、アピールすべき点を述べます。
 まず stable の長期にわたるセキュリティサポートのため、サーバユースにお
いては有利だと思います。安定運用のためにはアップグレードの度に、導入テス
ト、運用テスト、回帰テストなどをしなくてはならず、そう度々にはアップグ
レード出来ないと思われます。これは長所と言えるでしょう。
 次に、豊富な公式パッケージ数は欲しいパッケージを入手する上で有利です。
さらにライセンス上の問題から debian 公式には入れられないパッケージも、非
公式に公開されていたりしており、充実しております。これも長所と言えます。
 さらに、豊富な対応アーキテクチャ数も長所です。例えば ARM への対応や、
岩松さんが現在移植されている SuperH への対応などは、組込み系の linux の
導入を容易にする成果だと思います。
 これらを武器とし、国内企業の debian への興味を引き出すことができれば、
日本での Debconf 開催のためのスポンサーともなるでしょうし、国内での認知
度も上がると思われます。
 最終的には行政機関 (国や地方自治体など) で debian が使われるようになっ
たら、システムインテグレータも debian のテクニカルサポートも考慮してくれ
るかな?
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ここまで

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yamamoto



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